




旧ミラノ王宮の別荘でコンサートを聴く機会に恵まれた。ミラノと言えばオペラの殿堂スカラ座もあり音楽の本場でもある。その他にも大小のコンサートが街中のあちこちの会場で催されており、身近にまた気軽に音楽の生演奏に接することができる。
今回はイタリア音楽雑誌主催コンサート。クラシックギターと木製フルートと声楽との三者の共演。その会場が非常に豪華。 Villa Reale! (ヴィッラ・レアーレ)直訳すると「王宮の別荘」!。ミラノを統治してきた歴代の王たちの別荘である。現在はミラノ市の所有で半分がミラノ市立近代美術館で、残りの半分で時々催し物が行われている。すばらしい中庭に面した一室は市役所の一部として市民の結婚の宣誓式場にもなっている。(伊では教会で結婚式をしない場合は市役所にて宣誓する。私の友人も以前ここで結婚式を挙げたことがあった。)さてこの豪華な建物に入っていくと、出迎えてくれるのは階段や通路に並ぶ見事な大理石の彫刻たち。さらにその先の部屋に入ると、肖像画が壁一面に並んでいる。そして、あちこちに置かれている調度品は当時のそのままのもので、まるで美術品。まさに由緒正しい美術館の中でのコンサート。 |
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この尊厳で豪華な空間の中に置かれた聴衆者用の椅子がモダンなプラスティック製!クラシカルな空間に置かれたイタリアンデザインとのコントラストが予想外に非常に調和していた。歴史的な建築物に囲まれたデザインの本場でしかできない発想である。一般的にはクラシックな空間にはクラシックな椅子があるか、もしくはどのような椅子があったかなどは気がつかないのが普通であるが、ここは違っていた。このクラッシック空間に置かれたプラスティックの椅子。ミラノサローネの展示会以外では初めて目にする新旧の競演の実例。そして当然の事ながら壮厳な空間の中でのクラシックコンサートは素晴らしいものでした。
ただアクシデントがあった。調度品の一つである時計がコンサートの最中に時刻に合わせ突然鳴り始めたのである。普通なら「あっ、この時計が動いているんだ」とメリットになるが、今回は咳払い一つでも気になる静かなクラシックコンサート会場。見えないこの会場主の主張に一同成す術もなく10回の時を刻む音を聞いていた。このコンサート、インテリアと美術と音楽の見事なまでの調和。歴史的空間の中で暮すミラネーゼの上手な知恵を存分に味わえさせてもらった夜でした。 |
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