2008のサローネも大盛況に終わった。メイン会場である、フィエラ(見本市)本会場は何と前年比29%アップの34万8千人!今年も予想以上に来場者は増加し、世界のインテリアデザイントレンドの発信地としての地位はますます重要となっている。参加は約2450社。23万平米にも及ぶ広大な会場でも足りず、仮設会場を追加している程。この展示会は出展希望のウェイティングリストに約600社もあるために新規出展は非常に困難。
その中、初めての「日本展」として選ばれたメーカー6社からなる、「SOZO_COMM」(経済産業省が支援)が出展できた。その展示品の中では、和紙や井草などから出来た日本独自の家具が注目されていた。実際に何社かには大口の商談があったと聞く。ブース全体が薄い布で覆われ、下からライトアップされた空間は浮遊感があり独特の存在感を示していた(01/02)。基本設計は内藤廣 建築設計事務所、施行準備・管理は当事務所で行なった。色々な制約や煩雑な手続き、事務局の管理の不手際などに遭遇しながらも、短い準備期間の中で無事に開催された。(本当に伊での展示会は日本とは比にならない程、手間が掛かる。何年仕事をしていても慣れない。)



今回は日本の閣僚として甘利経済産業大臣が初めてサローネを訪問した。受け入れ側の主催者コスミット(COSMIT)はアルメリーニ社長を始め、ズナイデル伊家具協会会長、ミラノ市文化局評議委員などそうそうたるメンバーで出迎えた(03/04)。レベル・規模共に世界最高を誇る同見本市をみて日本のデザイン政策に少しでも役立てばと願う。前日夜のミラノ日本総領事公邸でのパーティーには、2015年の万博を同市に誘致した有名な女性市長モラッティ氏も駆けつけ華を添えていた(05)。
この展示ブースは6号館にあり、世界的デザインリーダーメーカーがひしめく8号館の下に位置する。初年度にしては思いがけない程、非常に良い場所が確保できた。これは私が日々の業務でコスミットの幹部に会うたびに催促し、より良い場所をお願いしていた努力が実ったものと自負している。(先方に行く度に、また聞きに来たかと嫌がられていたが…)

その8号館に目をやると、伊家具業界最大のポルトローネ・フラウグループ(06)が大きく陣取り、傘下のカッシーナ(07)、カッペリーニ、アリアス(08)、グーフラム(09)とトーネットの各6社を上手に配置し見せていた。隣には、モローソ、ドリアーデ、カルテル(10)等のトップメーカーがそれぞれの手法で競演している。毎年ながら世界最高レベルの商品、展示には目を見張るものがあり、エキサイトである。その証拠に伊家具の売上げは前年比4.5%伸びで、内35%は輸出されている。
新人デザイナーの登竜門として有名なサローネ・サテリテには合計570名と22の学校が参加し、その内から最優秀展示に贈られるデザイン・レポート誌(独)大賞にはPOSTFOSSIL(スイス)(11)が選出された。枯渇しつつある原油からの脱却をテーマにした作品達。これはデザインの視点が外観の形のみでなく、コンセプトが重視される時代に入った事を意味する。

尚、通称「ミラノサローネ」とはコスミットが主催しているフィエラ本会場での「ミラノ国際家具見本市」を示し、市内での大小のイベントは、まとめて「フオーリ・サローネ」(サローネの外)と呼称されている。近年の日本のメディアは両方をごっちゃにしていますが、明確に区別する必要があります。次回はそのフオーリ・サローネのレポートとなります。

より詳しく知りたい人は
http://www.cosmit.it
http://sozocomm.jp