「呼吸する靴」というコピーで有名になったジェオックスGEOX社のミラノの心臓部モンテナポレオーネ通りのショールームを紹介しよう。革命的なジェオックス社の製品が歴史とアートの空間に並んでいる。「靴底に穴を開けて蒸気を出し、蒸れ知らずの靴」というコロンブスの卵的発想で本当に靴を作りヒット商品に仕上げ、今やイタリア優良中堅企業になった。具体的には多くの穴を開けたソールにメンブレンシートという1cFに10億40万個以上のミクロの孔の特殊シートを使用し、外からの水は入れずに、足から出る熱と蒸気を放出するという優れモノ。
そもそもの始まりは創業者のマリオ・モレッティ・ポレガート氏が家業のワイン製造、販売の仕事でアメリカ滞在中に趣味のジョギングをやっていたが、靴が蒸れて仕方なく、履いていたスニーカーの底に穴をあけて試しに使ってみた。その使用感が思いの他良く、これだと思い、伊に戻ってからの試作品を作り始め、13年前の1995年にまずは子供靴からスタートした。評判が評判を呼び紳士靴、婦人靴と対象が広がり、現在ではウェアーも手掛けカジュアル・ファッション全体へ広がった。昨年の売上げの60%の7,7億ユーロ(約1270億円)が輸出。販売は60ヶ国以上になる。カジュアルライフスタイル部門では伊で一番に一躍成長した。



このハイテクノロジーのファッションのショールームが、歴史的建造物で1838年完成のガバッツィ邸の中にある。床は全てモザイク。非常に小さなピースからなるために、描写物の陰まで表現し、まるで3次元的立体に見える(01)。天井のフレスコ画(02)は自然からのインスピレーションのテーマが多く、非常に生き生きとした色で上品なデコレーションとなっている。暖炉、取っ手(03)なども現代に蘇り非常に面白い。
この改装は、建築家アルド・チビック&パートナーが担当。同社の店舗も手掛けている。
背面に大きな穴のあいたソファー(04)は、同社の製品の「穴」を連想させている。
「靴底に穴を開ける」という大胆さと、歴史的「モンテナポレオーネ」の館、予期せぬ見事なまでの組み合わせにイタリア人気質をここでも思い知らされた。

そして、ファッション企業としてこんなに成功しても、元々の家業のワインのPRでも、この素晴らしい空間は一役かっている(05)。このワインも上等で非常に美味しい。
試飲した私はアルコールのみでなく、時空を超えた贅沢な心地良さにも酔っていた。

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