二年前にオープンしたミラノのデザインホテルで友人のパーティーがあった。会場は元GEの工場の構造をそのまま利用し、リニューアル手法でデザインホテル化させたnhow Hotel(01)。ホテルの入り口はカラフルな色の大きな板ガラスで覆われ、レセプションに入ると金色の大きなカウンター、オレンジ色の特異な形の大シャンデリアにまず目を奪われる(02)。そして、様々な形のソファーと椅子が並ぶ(03)。空間のみでなく宿泊客や来訪者の皆、オシャレ。ここがかつて工場であったとは想像も出来ない。手掛けたのはここミラノにおいて、既に大御所の赴きすらあるドイツ系イタリア人の人気建築/デザイナー、マテオ・トゥン氏。このホテルは各階ごとに違うテーマを設けて「アート&デザイン」で特色を出している。その一環のイベントとして実際に販売できるデザイン物の展示、使用している(04/05)。友人はその出展者の一人。ただ見るだけでなく買えるデザインを置いている事に特徴を出している。パーティーへの来場者は14名の出品者の友人、知人達で混んでいた。この元工場をリニューアルした同ホテルは成功したビジネスモデルとなった。いかに成功しているか証明するハプニングが起こった。このパーティー会場は通路兼用になっていた為、あの世界一有名なお騒がせセレブが最上階のスイートルームに向かうのに、ここを予告なしに通過したのである。



ミラノコレクションの発表会に来た、パリス・ヒルトン(07)である。市内にはヒルトン・ホテルがあるのにそこへ泊まらず、ここに来た。パーティー会場にはそれまでほぼ均一に人々が散らばっていたのに、その得意な足取りで闊歩する突然の来場者をアッという間に取り囲んで、まるで砂糖に群がる蟻のようであった。蟻と違うのはその挙げた手に皆、携帯電話を持ち、殆どの人がパパラッチ化していた。その後のパーティーの話題は彼女が独占。独特な歩き方や身振りを真似して楽しむ女性が多くいた。想定外の来場者に一瞬にして注目を全て奪われた友人の作品達が少し寂しげに見えた。
この元工場のデザインホテル、三年前からT社のフオーリサローネの会場として使用。工事中(06:2006年)から知っている私にとって、こんなに華やかに成功するとは予想していなかった。デザインの力とそれ以上のセレブの力を知る一晩であった。

より詳しく知りたい人は
http://www.nhow-hotels.com
http://www.artnhow.com
http://www.matteothun.com

※パパラッチとは伊語でVIPのスクープを撮るカメラマンのこと