




私は縄文土器の本物を見たのは初めてだったのかも知れません。
教科書や本にあった縄文土器を当然見たことがあると思っていたのですが、縄文土器がこんなに美しいと思ったことは無かったからです。泥臭くて野暮ったくて洗練されていないとずっと思い込んできたことを恥ずかしいと思うほど、目の前にある縄文土器は繊細で華やかで力強いものでした。
六本木・ミッドタウンのサントリー美術館で開催されている「KAZARI」展でのことです。
日本の美術は桂離宮に代表されるように、無駄な装飾を排したシンプルで端正なことが特徴で、わび・さびこそが日本の美学を象徴するものと思ってきました。
縄文土器のおどろおどろしい過剰な装飾は、古代人のたどたどしい制作だからと勝手に思っていたのですが、この展覧会の第一番目に置かれた国宝の縄文土器の美しさに息を呑んだのです。こんなに力強く華麗で繊細な完成度の高いものだったのかと驚いたのです。
この展覧会はわび・さびの対極にある金屏風、よろいかぶとなどの装束、金工、漆などの工芸品、染織、陶器など日本の装飾美術の豊かなデザイン力と緻密な製作技術を見せてくれたのですが、これらののびのびとした独創性豊かで自由なデザインに又改めて驚いたのです。
私たち戦争を経験したものにとって、飾るとか贅沢をするということはいまだに罪悪感が付きまとっています。「贅沢は敵」という呪縛からまだ解放されてないのかもしれません。
それもあってシンプルなミニマリズムに傾いていったということも有るのでしょう。
しかしこの展覧会は日本のデザイン力のすばらしさ、製作技術の高さを見せてくれました。
実物の写真は撮れませんのでカタログの写真を撮りましたがやはりおどろおどろしい写真になってしまいました。本当に美しい縄文土器を見ていただけないことをとても残念に思います。 |
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