




九月の北海道は紅葉にはまだ早く、湿度が少ないさわやかな空が広がっていました。
旭川の娘を訪ねた私たち夫婦は、三連休に娘一家と車で知床を廻りました。760キロもあるドライブでしたが、石北峠を越え渋滞することも無く、斜里、ウトロ、羅臼と北海道らしい海山の中を快適なドライブをしました。
知床の近く、津別峠展望台から静かな夕暮れの屈斜路湖を眺め、それからホテルまでは原生林の中の道をまだ6キロも走るのでした。そんな山の中でもきれいに舗装されていて、道路問題で「一日に狐が二・三匹しか走らない、必要のない道」に挙げられるのかもしれませんが、北海道では道路があるからここまでの発展があると思ったのです。
昔は公営だったというたった一軒あるホテル、今は民営になってフォレスターという立派なホテルになっているロビーで、大きな窓から見える美しい林を見ながら「ここにはどんな動物が来るのですか?」と聞いてみました。「鹿と狐ですね」という返事を聞きながら、今晩、何か近くで見えるといいなと期待しました。数日前、「川のほとりにシマフクロウが水を飲みに来る」という話を聞いて、ぜひ観てみたいと思っていたのです。
夜中の11時半でした。2階の部屋から見ていると月明かりに照らされた庭に何か姿が見えました。
「何かいるわ」という声に誘われて娘も起きてきて二人で庭を見つめました。
後から次々に仲間が現れて、5匹の鹿が縦に並ぶと胸を張り頭をあげて、足並みをそろえてゆっくりと川に向かって消えていきました。まるで幻を見ているよう、しばらく月明かりの木々を見ていると、又次の5匹がゆっくりと現れ、私たちのいるほうを見ながらゆっくりと通り過ぎていきました。
残念ながらその幻想的な夜は撮影できませんでした。次の朝撮ったものです。 |
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